南正時の湧水名水絵日記

2013年2月の水の旅です

■栃木市エクスカーション
2/4
　９時のスペーシアで栃木市へ向かいました。栃木県観光物産協会から「やすらぎの栃木路」マスコミキャンペーンの取材にお招きを受けたので参加してきました。東武鉄道では「蔵の街とちぎ」散策クーポンを発売していて、栃木市の観光誘致を図っています。その一環としてスペーシアに乗って栃木市に向かいました。栃木駅で現地の観光担当者の出迎えを受けて早速、市内の観光地を巡りました。桜の名所の大平山、蔵の街和舟に乗って巴波川を遊覧、観光農園で現地でしか食べることのできない「とちひめ」をイチゴ狩りをしながら試食。トマトほどある巨大なイチゴで、市販されずイチゴ狩り専用の新種イチゴです。栃木市は市内を巴波川が流れ、水路も多い「水の街」です。県庁堀には浄化用の井戸が何本かあります。例幣使街道の老舗味噌蔵「油伝味噌」の庭内には仕込み用の井戸が何本かあり、庭に石段のついた深さ2メートル程度の掘り抜き井戸があります。ご主人に聞くと地下水位が浅く、大雨や台風、湧水シーズンになると地下水が上昇して井戸に水が湧き出るそうです。夕方に柏倉温泉「太子館」にチェックイン。聖徳太子ゆかりの寺社の境内にある宿で、境内から湧く「霊泉」を使用した鉱泉で知られている名宿です。

女船頭さんの水棹で巴波川を遊覧。「とちひめ」は現地でしか食べられないまぼろしのイチゴ。「油伝」味噌蔵の掘り抜き井戸。まだ現役で防火用水として使用しているという。柏倉温泉太子館の霊泉の浴槽。

■鍾乳洞からの名水滝
2/5
　「太子館」はヘルシー朝食が有名で旅雑誌などで取り上げられています。昨日は少々食い過ぎた身には優しい朝食でした。９時から市内観光視察に出発です。花が少ない季節ですが「花之江の郷」を訪れるとフクジュソウやお目当てのロウバイが咲いていました。谷地から湧出する湧き水を利用した湿地帯の植物群が見事です。出流山万願寺に向かい奥への院の険しい山登りをして、湧水の大慈の滝と鍾乳洞の仏を参拝して、昼食には出流そばの名物「一升そば」を食べて大満腹。蕎麦屋には井戸水で蕎麦を晒していますが、その水が店内に水場が設けられて「名水」としてふる舞われています。また駐車場のの山裾には「観音水」の水場が整備されています。市内に戻り自由散策を利用して、同じ日本旅行記者クラブの仲間2人と、レトロ銭湯「玉川の湯」、通称「金魚の湯」へ向かいました。創業明治22年（1889年）で昭和28年に改築し、浴場内の壁に水槽を埋め込み金魚を飼ったところから「金魚の湯」といわれています。もちろん井戸水を使用している柔らかい湯です。二階に芝居小屋スタイルの大広間があり、日帰り温泉のごとき雰囲気で地元の人がお弁当を広げてカラオケに高じています。入浴料300円で利用できお茶は無料です。ここでサービスの白菜の漬物と250円也のビール(発泡酒)を飲みました。時々は衣裳をまといコスプレ歌謡ショーも行われるそうです。見てみたいし体験してみたい!!。番台の女将さんは気さくな人で、親切に対応してくれて取材の便宜を計ってくれました。地元の人も取材に協力して下さり浴槽内でお喋りしました。懐かしい私には「驚愕」の銭湯でした。このあとに蔵の会議室で観光担当者との会議、意見交換会を行い、夕方のスペーシアで帰京しました。

「花之江の郷」に咲き始めた蝋梅。出流山万願寺奥の院の湧水が直接落ちる大慈の滝。出流そばの一升そばは名水蕎麦の趣き。レトロ銭湯「金魚の湯」は「浮世風呂」の雰囲気が漂う、脱衣籠とアナログ体重計が懐かしい。

■気紛れ天気のなかN700Aデビュー
2/8
　昨夜は清水市内の鉄道ファンの寿司屋「つばめ鮨」で鉄道会社の友人と、かつての寿司電車の寿司の味を楽しみました。主人の岸山仁さんは、かつて急行列車の「寿司電車」で寿司を握っていた職人さんでした。昭和40年代初頭には「寿司」「蕎麦」電車があったのですよ。今日は三島の朝は冷え込んでいますが風は収まっています。こういう日には富士山のシーリングが不安定になるのが、何度も通った三島―新富士間のこれまでの経験です。今日は新形新幹線N700Aのデビューの日で、一番列車を富士山と撮る予定です。東京駅で出発式を終えた東京発7時の203A列車は新富士7時48分15秒通過で、これは定時に通過しました。大阪発の208Aは新富士を8時42分45秒ですが、10分過ぎてもやってきません。関ヶ原付近の雪が原因のようです。富士山の状態が良くないので、昼前には撮影を切り上げて富士市内の湧水を巡り歩くことにしました。これまで訪れていない隠れた湧水を中心に回りました。富士市内の湧水は奥が深いです。水量が少ない時期にもかかわらず、どの湧水も水量豊富でした。市内の湧水では「いぼとり地蔵」「鑑石公園の湧水」などがお気に入りですが、新たに住民の生活井戸を住宅地に見つけました。そして今泉地区の湧水も改めて見て、とても気に入りました。

N700Aの一番列車が富士山麓を通過。題唱寺北の住宅地の井戸。いぼとり地蔵はやっと柄杓が届き飲むことができた。「わきみずの寺」法雲寺の水飲み場。
今泉7-9番地の駐車場下の水神を祀った湧水。

■大泉は我が青春の聖地
2/9
　午前中に渋谷ヒカリエにある渋谷区役所の出張所に行きました。朝の陽まわりがいいときに地下鉄銀座線、東急渋谷駅の俯瞰を撮りました。地下鉄銀座線渋谷駅も近い将来には今の高架上に新駅ができるそうです。東横店も閉店間近ということで地下鉄銀座線渋谷駅も大きく変わることでしょう。西荻窪駅から大泉学園行きの関東バスに乗りました。大泉学園駅から徒歩で和光市南のアニメーター大塚康生さん宅に行くことにして、途中、東映撮影所に立ち寄りました。私の子供の頃からの憧れの撮影所で鉄道映画では「大いなる旅路」「大いなる驀進」「喜劇・急行列車」などを製作してきました。隣接して東映動画(現・東映アニメーション)が、創立当時の建物のまま残っています。一部が資料館になっています。たまたま45年来の旧知の元東映動画の元アニメーターで学芸員Aさんがいらっしゃったのでご案内頂きました。45年前、私は初めて東映動画スタジオを訪れて、アニメ界に進むことを決心しました。このときにスタジオで応対して下さったのが大塚康生さん、森康二さんでした。建物の中庭には当時のまま池があります。その昔、アニメーターが空腹のあまり池の鯉を食べた・・という伝説も残っています。この東映撮影所を少し下った所に東京の名湧水57選のひとつ「八の釜憩いの森」の湧水があります。住宅地から湧出しています。水源のすぐ上は東映撮影所ですから、ここで慣用された地下水といったところでしょう。土支田経由で「稲荷山憩いの森」に立ち寄りました。ここも東京の名湧水57のひとつです。水量は少ないものの、流れは石神井川に注いでいました。ここから東京・埼玉都県を越えれば大塚さん宅です。いつものとおり機関車の話に花が咲きましたが、今日は先だっての御殿場D52ツアーの話で盛り上がりました。そして、昭和30年代初頭に大塚さんが尾道駅近くの跨線橋から撮ったD52やC62、C59などの写真を譲り受けました。この尾道の大塚さんのSL撮影地の同ポジで昨年夏に機関車を撮影してきました。新旧の写真を見て偲ぶことにしましょう。

ヒカリエから見た渋谷駅東口。大きく変化するであろう。東映動画スタジオは創立当時の建物で伝説の池がある。その坂下に八の釜の湧水がある。稲荷山憩いの森の湧水の風景。

■オホーツクの流氷への旅
2/19～22
　6時55分のJAL1183便女満別行B767-300に搭乗。女満別のアプローチの時に機長が「羅臼上空から流氷がご覧になれます」と着陸寸前にアナウンス。今回の取材では「流氷と鉄道」がメインなのでまずは一安心。空港から早々に北浜に行くと、肝心の流氷は沖合へ移動。そこで止別に向かうと、良い状態で流氷が接岸していたので、ここで列車を狙いました。今回の旅ではこの付近の湧水も訪れてみたいと思っているのですが、雪でアクセスが可能か気になるところです。

羅臼上空から見た流氷。北浜駅の「流氷展望台」にて。流氷の海をバックに止別付近を走る「流氷ノロッコ号」。斜里温泉元湯のモール温泉は身体に優しい温泉。

　20日は知床斜里と北浜の間を行き来しながら流氷を追いました。午後からは知床の山々を見え始め、列車との写真も撮れました。清里町で時間があったので、斜里岳山麓の「来運の水」に向かいました。深い雪に埋もれた湧水は、どこか秘境の趣きが感じられました。積雪がありましたが何とか水場と湧水池にはアクセスできました。この日は斜里町の「斜里温泉」に旅装を解きモール温泉で疲れと冷えた身体を癒しました。
　21日は快晴なので、止別では知床の山々と、流氷と「流氷ノロッコ号」の撮影に成功。北浜駅に移動すると、展望台からは流氷の海が一望の最高の条件で、今回の旅の目的は果たせました。今夜は川湯温泉在住の先輩カメラマンの紹介の温泉旅館にチェックインして酸性の温泉を楽しみました。出来れば「神の子池」にも行きたかったのですが、この季節はまずアクセスは無理です。川湯温泉駅の「摩周湖の伏流水」も蛇口が凍り「名水」は春までお預けです。
22日、流氷の写真が思うように達成できたので、釧路湿原を行く蒸気機関車の撮影に向かいました。途中美留和には摩周湖の湧水と言う水汲み場があるので、立ち寄りました。水が出る井筒には雪の結晶が付着して、いかにも美味しそうな水が溢れていました。お昼前後に湿原の駅、塘路付近で「SL冬の湿原号」を撮影して、美幌峠経由で女満別に向かい、最終便で帰京しました。この旅では北海道では大荒れで列車が止まるほどでしたが、網走や道東は比較的天気も良く取材ができました。

来運の水の水場と、深い雪に埋もれた湧水池。「摩周湖の伏流水」の水汲み場。釧路湿原の白樺並木を走る「SL冬の湿原号」(塘路付近)

　22日、流氷の写真が思うように達成できたので、釧路湿原を行く蒸気機関車の撮影に向かいました。途中美留和には摩周湖の湧水と言う水汲み場があるので、立ち寄りました。水が出る井筒には雪の結晶が付着して、いかにも美味しそうな水が溢れていました。お昼前後に湿原の駅、塘路付近で「SL冬の湿原号」を撮影して、美幌峠経由で女満別に向かい、最終便で帰京しました。この旅では北海道では大荒れで列車が止まるほどでしたが、網走や道東は比較的天気も良く取材ができました。

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女船頭さんの水棹で巴波川を遊覧。「とちひめ」は現地でしか食べられないまぼろしのイチゴ。「油伝」味噌蔵の掘り抜き井戸。まだ現役で防火用水として使用しているという。柏倉温泉太子館の霊泉の浴槽。


「花之江の郷」に咲き始めた蝋梅。出流山万願寺奥の院の湧水が直接落ちる大慈の滝。出流そばの一升そばは名水蕎麦の趣き。レトロ銭湯「金魚の湯」は「浮世風呂」の雰囲気が漂う、脱衣籠とアナログ体重計が懐かしい。


N700Aの一番列車が富士山麓を通過。題唱寺北の住宅地の井戸。いぼとり地蔵はやっと柄杓が届き飲むことができた。「わきみずの寺」法雲寺の水飲み場。今泉7-9番地の駐車場下の水神を祀った湧水。


ヒカリエから見た渋谷駅東口。大きく変化するであろう。東映動画スタジオは創立当時の建物で伝説の池がある。その坂下に八の釜の湧水がある。稲荷山憩いの森の湧水の風景。


羅臼上空から見た流氷。北浜駅の「流氷展望台」にて。流氷の海をバックに止別付近を走る「流氷ノロッコ号」。斜里温泉元湯のモール温泉は身体に優しい温泉。


来運の水の水場と、深い雪に埋もれた湧水池。「摩周湖の伏流水」の水汲み場。釧路湿原の白樺並木を走る「SL冬の湿原号」(塘路付近)