南正時の湧水名水絵日記

2013年8月の水の旅です

■オー!!、ウタマロ
7/31
午後から用事があったので吉祥寺まで出て、かえりに井の頭線久我山で途中下車して烏山寺町を散歩しました。高源院の東京の名湧水57選の弁天池は鴨の飛来するところから鴨池として親しまれ、弁天池の中央に浮御堂が建ち、宝生弁財天が奉安されています。湧水箇所は確認できませんが、水面には水生植物が咲いていました。隣接する専光寺には江戸時代の浮世絵師「喜多川歌麿」の墓もあり、寺町界隈は小京都のたたずまいを残していました。

弁天池の中央に浮御堂が建ち、そこからはハスなどが一望。専光寺の歌麿の墓。歌麿は北斎と共に世界に知られる絵師だ。

■日高路を旅する
8/2～8/6
　2日から北海道を旅しました。今回は浦河町にある大正時代創業の映画館「大黒座」で、長編アニメーション「セロ弾きのゴーシュ」(1982年高畑勲監督・オープロ制作)の35ミリ上映とトークショーが開催されるので、そのイベントに出席することと、夏の日高線を撮影するためでした。湧水もできるだけ巡りたいと思っていました。
　巡った湧水は国道236(天馬街道)の日高山脈の峠にある翠明橋公園の「日高山脈の伏流水」の水場です。冷たい水が大量に湧き出していて、2リットルのペットボトルに詰めて滞在中の浦和のホテルでの飲料水にしました。国道336号「黄金国道」の広尾町内の「フンベの滝」は、ぜひ訪れたいと思っていました。過去2度訪れているのですが、いずれも悪天候だったので、今回はなんとかしっかり見たいと思っておりました。この滝は海岸線まで迫る日高山脈の山塊が崖となり、砂礫層からの湧水が滝となって太平洋に落ち込むものです。「フンベ」とはアイヌ語で「くじら」という意味とのことです。

翠明橋公園の日高山脈の伏流水。遠くに日高山脈を望む。実にピュアな旨い水だ。「フンベの滝」は襟裳岬への途中にある、日高山脈の伏流水が湧き出ている滝。浦河の海岸ではこの季節の風物詩である昆布干しの風景が見られる。

浦河で日高昆布を干す風景や、その近くを走る日高線の列車を撮影したり、大黒座近くの美味しい寿司屋で、「大黒座」をサポートする人たちと地魚を食べました。そのとき、大黒座の館主の三上さんが、浦河町の萩伏という集落に何箇所かの井戸があり、かつては地酒の造り酒屋もあった・・という情報を聞いたので、訪れてみました。日高山脈から流れる元浦川の河口付近の荻伏の集落の中に三か所の自噴井戸を見つけました。どれも水量豊かに湧き出していて、村の人たちに守られ共同井戸として使われているとのことでした。地元の人に聞くと、上流に廃棄物処理場があるので、水質検査を頻繁に行い、、問題なく冷たい日高山脈からの伏流水は健在とのことでした。ここの水も実に冷たく美味しく、三か所の井戸の水を味わいました。　最終日の6日は空港までの道すがらに、千歳市美々地区にある「御前水」に寄ってから飛行機に乗りました。

義経伝説が残る判官館岬をゆく日高本線の列車。大正時代から続く映画館「大黒座」。萩伏地区の自噴井戸。地元の人が説明してくださった。千歳の「御前水」の湧出口。、数か所の湧き出し口がある。

■灼熱のオアシス
8/12
　昼前に中央線の日野の多摩川鉄橋に向かいました。立川で友人の「鉄」と待ち合わせて鉄橋へ。気温35度で河原には日陰もなく、水分補給を頻繁にしながら撮影開始。あまり暑いのでとうとう川に入って撮影です。これで熱中症のリスクは軽減したかな。昨年夏に琴平電鉄ロケの時、河原で軽い熱中症にかかったので、要注意で対処しましたが、それでも30分が限度なので、お目当ての貨物とスーパーあずさを撮って打ち上げ。近くの仲田緑地公園には地下水が湧き出る、まさにオアシスの「自噴水」があるので、そこへ急行。冷たい自然水で水分補給と顔を洗ったり足を浸して涼を取りました。日野駅前まで戻り駅前の寿司屋でお疲れ様の食事。冷たいビールの旨かったこと!!。私は西国分寺の「真姿の池」に立ち寄りました。お盆の花といわれる禊萩・ミソハギが気になっていたのですが、そろそろ花の盛りは終わりのようです。次第に積乱雲が出てきたので早目に帰宅すると、雷鳴がとどろき始めました。そして滝のような豪雨。練馬や大田区では被害が出ているようです。

多摩川鉄橋をゆく電車を撮る。仲田緑地公園の自噴水。真姿の池の禊萩は盛りを過ぎた。

■湧水ゼロ、枯渇
8/14
　吉祥寺で知人のデザイナーと会い、遅いランチをしながら打ち合わせをした後、私は国分寺まで足を延ばして、駅前の殿ヶ谷庭園と、東京経済大学の新次郎池を散歩がてらに訪れました。新次郎池の湧水は、このところ連日の多摩地方を襲ったゲリラ豪雨の影響もなく枯渇状態でした。いっぽうの殿ヶ谷庭園の次郎弁天の清水は、豊富な湧水量を誇って見ごたえがありました。それだけに新次郎池の湧水は気になります。やはり台風待ちの豪雨に頼らざるを得ないようです。これからの首都圏の水不足が心配です。

新次郎池のほとりにカンゾウが咲くころには湧水量が増えるのだが・・。右、殿ヶ谷庭園の湧水は、いつもより豊富な水量だった。

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弁天池の中央に浮御堂が建ち、そこからはハスなどが一望。専光寺の歌麿の墓。歌麿は北斎と共に世界に知られる絵師だ。


翠明橋公園の日高山脈の伏流水。遠くに日高山脈を望む。実にピュアな旨い水だ。「フンベの滝」は襟裳岬への途中にある、日高山脈の伏流水が湧き出ている滝。浦河の海岸ではこの季節の風物詩である昆布干しの風景が見られる。


義経伝説が残る判官館岬をゆく日高本線の列車。大正時代から続く映画館「大黒座」。萩伏地区の自噴井戸。地元の人が説明してくださった。千歳の「御前水」の湧出口。、数か所の湧き出し口がある。


多摩川鉄橋をゆく電車を撮る。仲田緑地公園の自噴水。真姿の池の禊萩は盛りを過ぎた。


新次郎池のほとりにカンゾウが咲くころには湧水量が増えるのだが・・。右、殿ヶ谷庭園の湧水は、いつもより豊富な水量だった。