2016年10月の水の旅です

湧水名水探訪日記のバックナンバーはこちらです。

■新しい水車
9/30
　散歩がてらに午後から京王片倉駅まで電車で行き、片倉城跡公園の湧水を訪れました。奥の沢からの豊富な湧水を利用する水車小屋が新しくなり、水車が新しくなりました。まだ木の香薫るほどの水車です。そういえば新しい水車など滅多にお目にかかれません。現在編集中の「東京の名湧水」の写真を早速、差し替えることにしました。斟珠寺の「時田弁財天の湧水」を訪れました。この湧水は八王子の公式湧水ガイドにも記載されていないマイナーな湧水ですが、なかなかどうして、素晴らしい環境の湧水です。ただし水場の湧水が注ぐ「樋」を新しく整備してくれれば、より良いと思うのですが・・。夜は編集者と湧水本と同時進行中の原稿の最終入稿、編集者が高幡不動の住まいなので、行きつけの居酒屋で、丸々太った秋刀魚と焼酎をゴチになりました。

片倉地区の湧水はどれも見応えがある。水車も新しくなった。時田弁財天の湧水、水場の樋が整備されれはいいのだが・・。

■湧水本
10/2
　遅れている「東京の名湧水」の表紙デザインが送られてきました。一目見るなり暗―い。地下水が湧き出る場所は暗いものなのですが、これじゃあまりにも・・。発売元のクラッセの富田氏も遠慮がちに「たしかに・・」。決めた、やり直し。もう一度撮り直ししよう・・。お互いに納得する写真こそ、それがプロの写真家なのだから。天気を見て、またまた「表紙用」の湧水巡りが始まります。と。いうわけで天気も良いことだし午後から八王子の名水「子安神社の明神池」へ。思い切って水中写真・・? ちょっと突拍子過ぎるか表紙だけに・・^^;。帰る途中、秋はすっかり釣べ落としで西の空が茜色に染まっていました。いい本を作りたいと思います。

このデザインはキャンセル。ロケハンに子安神社へ。水中写真もアリかな?。秋の陽は釣べ落とし・・。

■小仏峠にあずさを追う
10/4
小仏峠に「あずさ」を追う! 「あずさ50周年」ってことだし。天気もいいし、新型電車の試運転もあるし・・ということで高尾駅から小仏行き高01京王バスに乗り込みました。ここまでわが家から20分のアクセスです。...裏高尾の旧甲州街道の「蛇滝口」で下車、バス停のすぐ近くに甲州街道の宿と「蛇滝の湧水」があります。裏高尾から湧き出る水を引いたものです。ここで水分補給にペットボトルに詰めて、金木犀の香りの絨毯を踏んで撮影地の踏切到着。ここで、「スーパーあずさ」とEH200の貨物列車を撮りました。午後イチで1時間後のバスで移動。バス停「大木」下車5－6分。ここで本日の本命列車「E353系」の試運転列車を撮影してバスで山を降りて、午後からは通称「豊田の大カーブ」へ。その前に通り道の東京の名湧水57選の「黒川清流公園」で食後の一服とクールダウン。ここの湧水も多雨の影響で水量多く、林の遊歩道はぬかるみで歩けないほど、遊歩道にぽっかり空いた穴から湧水が勢いよく吹き出ていました。お立ち台のひとつ、カーブの中間にある踏切に行くと、14時20分から45分の間に「スーパーあずさ」「桃太郎貨物列車」「E353」「E233」など「美味しい列車」を効率良く撮ることができました。本日はこれで打ち止め。鉄道と湧水を融合した私の小さな旅でした。

小仏峠を行く新型「あずさ」の試運転列車。蛇滝の湧水は旧甲州街道にある。日野市剣道場横の湧水も水量豊か。黒川清流公園も地下水が溢れ、遊歩道からも火口のように湧水が噴き出していた。

■神泉谷の御霊水
10/6
　編集中の「東京の名湧水」では資料提供などお世話になった方が渋谷区神泉にお住まいなので、今日はその経緯報告と取材に伺いました。訪れる前に駒場東大付近の湧水を見てきました。ケンネル田圃には「かかしコンクール」のさまざまなかかしが展示してあり、里山の雰囲気を醸し出していました。神泉は私が３年前まで澄んでいました。郷土史家などに神泉のいわれを聞いていました。
トンネルとトンネルの間にある神泉駅は、深く長い谷のどんずまりに存在しています。昔はここに弘法大師ゆかりの「霊水」があり、それを利用して湯治場が設けられました。明治になると代々木練兵場の兵士たちが訪れるようになると、湯治場に接待の湯女が登場して辺りは歓楽街と発展しました。それが円山の歓楽街の繁栄の礎となりました。この霊水はその後、銭湯「弘法湯」として営業されていましたが、昭和40年代後半に廃業。その跡地の神泉踏切の脇には「弘法湯」の3代目で写真家の佐藤豊さんが喫茶店「ラ・フォンテーヌ(泉)」を開いています。弘法の霊水を顕彰した石碑はすぐ近くに建立されています。その神泉の池は現在マンションの地下駐車場になっていて、そのマンションに3年前まで私が住んでいました。
　佐藤さんからお借りした当時の資料を今回の本に掲載する予定です。

ケンネル田圃と井の頭線。駒場東大構内の坂下門の湧水と一二郎池。神泉にある弘法湯の道の石碑、この奥に霊泉まの泉があった。昭和40年代まで営業していた「弘法湯」昭和30年撮影佐藤豊さん提供。

■企画が決まりました!
10/7
大田区の東京の名湧水57選の元多摩園の湧水を取材、元多摩川園跡の公園の湧水を訪れました。第一湧水はひごろ水は少ないのですが、かなり多くあたりに水たまりを作り、流れ出た水は地元の子供たちが作る水田を潤していました。不動前移動して氷川神社の懸水を訪れましたが思ったほどの水量はなくいつもと変わらない状態、この後訪れた羅漢寺川源流湧水も普段と変わらぬ水量でした。やはり都心の湧水はコンクリートなどで地下水を十分涵養しないまま河川に流れてしまうのでしょうか?;。夕方、渋谷並木橋の盟友の墓参り。８月、広島へ行く前に墓参りをした時の仏花がそのまま枯れて朽ち果てていました。淋しい思いをさせたものです。「仏、ほっとけ・・」ということわざどおりの淋しい墓前でした。渋谷桜丘の「和楽」で鉄道大百科シリーズをまとめる新刊書の初顔合わせ。ケイブンシャの鉄道大百科シリーズ、実業之日本社の「鉄道シリーズ」の取材エピソード、誕生のいきさつ、その他もろもろを書下ろしで刊行するものです。編集担当者は当時の大百科で鉄にそだった磯部編集長をメインに「汽車旅百選」など種村番記者の村上編集長がサポートしてくれ、最強の編集者たちによって執筆、編集が進む予定です。

大田区の元多摩川園の第一湧水は水量が豊で水路を流れる。第二湧水は変化なしの水量。羅漢寺川源流湧水は草生して湧水が隠れていた水量かわらず。氷川神社の巨樹が茂る参道。

■古代から湧き続ける名泉
10/18
　仕事先の出版社が池尻大橋に引っ越して、近くの東山貝塚公園の湧水が俄然近くなり、時間に余裕があるときには立ち寄っています。渋谷からバスで10分足らずの都心に縄文時代から脈々と湧き続けている湧水があることに驚きで、古代人はここで水のある暮らしをしていたと思うと感慨無量のものがあります。今どきは長雨の影響もあり崖線からの湧水も豊富で、そのためか池の水は澄み切っていました。ここでしばらく湧水を愛でて、出版社へ打ち合わせに向かいます。来年1月には私の鉄道の新刊本が出る予定です。

縄文住居も復元されている。この岩を流れる水量がバロメーター、今は多い。湧水池は澄み切っている。

■ハケの道の定点観測
10/20
午前中に今日の仕事は片付けて午後から運動不足解消の散歩。まずは分倍河原駅周辺を散策。分倍河原駅はJRと京王の乗り換え駅で乗客数もかなりのものなのですが、JR分倍河原駅は無人駅。駅近くの水田は稲を干す「はさ掛け」がいかにも秋の風情を醸し出していました。まだ東京にもいいところがあるんだなー、と思いました。東府中かにバスで「ハケの道」を歩き国分寺駅へ。途中、貫井神社と東京経済大学の新次郎池に立ち寄りました。貫井神社の湧水も水量豊かで本殿裏からの湧水も水量多く、二手に分かれて池に注いでいました。新次郎池の湧水もピークを保ったままで、新たに階段の途中からも湧出していました。「くらほね坂」下の二筋の湧水は最も水量多く、ここは少しばかり湧水噴出する迫力を感じました。バスで府中にもどり、特急で高尾山口へ行き、駅前の「京王高尾山温泉」を初体験。入浴料金が高いのが玉にキズといったところです。聖蹟桜ヶ丘駅で、自由国民社の新刊鉄道本の写真原稿を渡して本日のぶらり散歩はオシマイでした。

分倍河原駅近くの水田、貫井神社の湧水、本殿裏からの流れ(手前)と合流する。新次郎池はピーク、階段からも湧水が見られ全体では大小8か所の湧水が見られた。右は「くらほね坂」下の湧水。

■路線バスを乗り継いで
10/26
　今日は渋谷で入稿と連載の次回分の打ち合わせがあるので、早めに家を出て路線バスで最終の渋谷に向かうことにしました。調布駅南口から小田急バス「ニコタマ」行きにのり、成城で下車。近くの成城三丁目緑地公園に湧く湧水見て散策。二か所のうち一か所は巨大マンションにブロックされて民有地からの見学となっています。流出する水路は公園内にあり自由見学。成城学園－渋谷間の東急バスで池尻へ、縄文時代の貝塚がある「東山貝塚公園」に寄って、湧水の観察。すぐ近くの銭湯でさっぱりして再び渋谷へ。元の住まいの常連の「和楽」で、東洋経済の編集者と待ち合わせして入稿と、湯上りのビールを飲みながら次回の打ち合わせ。今日は25度もあったので銭湯と湯上りビールがひときわ冴えました。

成城三丁目の緑地の湧水、国分寺段丘から豊富な湧き水が流れ出る。東山貝塚公園の古代住居の内部、近くの銭湯(もちろん地下水)でさっぱりして渋谷で打ち合わせ。

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片倉地区の湧水はどれも見応えがある。水車も新しくなった。時田弁財天の湧水、水場の樋が整備されれはいいのだが・・。


このデザインはキャンセル。ロケハンに子安神社へ。水中写真もアリかな?。秋の陽は釣べ落とし・・。


小仏峠を行く新型「あずさ」の試運転列車。蛇滝の湧水は旧甲州街道にある。日野市剣道場横の湧水も水量豊か。黒川清流公園も地下水が溢れ、遊歩道からも火口のように湧水が噴き出していた。


ケンネル田圃と井の頭線。駒場東大構内の坂下門の湧水と一二郎池。神泉にある弘法湯の道の石碑、この奥に霊泉まの泉があった。昭和40年代まで営業していた「弘法湯」昭和30年撮影佐藤豊さん提供。


大田区の元多摩川園の第一湧水は水量が豊で水路を流れる。第二湧水は変化なしの水量。羅漢寺川源流湧水は草生して湧水が隠れていた水量かわらず。氷川神社の巨樹が茂る参道。


縄文住居も復元されている。この岩を流れる水量がバロメーター、今は多い。湧水池は澄み切っている。


分倍河原駅近くの水田、貫井神社の湧水、本殿裏からの流れ(手前)と合流する。新次郎池はピーク、階段からも湧水が見られ全体では大小8か所の湧水が見られた。右は「くらほね坂」下の湧水。


成城三丁目の緑地の湧水、国分寺段丘から豊富な湧き水が流れ出る。東山貝塚公園の古代住居の内部、近くの銭湯(もちろん地下水)でさっぱりして渋谷で打ち合わせ。