2017年8月の水の旅です

湧水名水探訪日記のバックナンバーはこちらです。

■京王電鉄に新車導入。
8/1
7月に京王線の新しい特急用電車が納入され、今日はその試運転初日です。若葉台と橋本の間を何度も試運転するのですが、その合間に京王のドクターイエローDAXも走るというので多忙しです。その合間によみうりランド駅まで足を延ばしここでランチタイム。近くの東京の名湧水57選のひとつ「穴澤神社のご神水」を訪れました。ここは水汲み参拝が多く、おそらく都内では最も多い水汲みに訪れるところでしょう。水は勢いよく出て、水質検査もしてあるとのことで、この日も訪れる人は途切れませんでした。

京王特急の新型電車の試運転初日。穴澤弁財天の洞窟と、ご神水。人気の高い湧水だ。

■高尾山麓でドクターイエローを。
8/2
　京王のドクターイエローこと DAX(Dynamic Analytical eXpress)が高尾山口まで運転するということなので、山の中の清流沿いに撮影に出かけました。ここまでくると都会の喧騒はウソのようで、京王線もローカル線の風情をが強く感じられます。深い緑を背景に黄色いお医者様がやってきました。場所は、小仏峠からの流れと、高尾山方面からの清流が合流するあたりです。もう少し暑ければ水に浸かる気持ちでした。

暑ければふんどし一本で清流に入るところだが。清流沿いに走るDAX

■麻布十番
8/4
　8/4から7日まで六本木の国立新新美術館で私が関係しているイベントが開催されますので、最初の日は早めに行き、麻布十番から六本木までぶらり散歩。朝の六本木界隈はとても良い環境でした。善福寺の参道にある「柳の井戸」に立ち寄りました。このところの都内の降雨で、水量が多く勢いよく湧き出して、水草をかき分けていました。善福寺境内の水舎の手押しポンプも気軽に体験できて、まだまだ麻布台の地下水は健在であることがよくわかりました。

善福寺の参道、柳の井戸は空襲、大震災の歴史を秘めて湧き続けている。境内の手押しポンプも健在。

■ロングラン路線バスの旅
8/8
今日は休養日と思っていたが予想外に晴れたので取材の前倒しで青梅線沿線へ。立川駅から拝島行き路線バスで拝島公園へ。このバス路線には多くの湧水が点在しています。今回は拝島大師近辺の湧水を見て回りました。このところの渇水で心配していましたが、大日堂下の湧水など水量も多く安心しました。一通り取材を終えて、拝島から立川駅北口まで「立80/81/82/85/86系統」の立川バスに乗ってみる。北口に到着するや先のバス停で立川には珍しい京王バス[立65系統]高幡不動駅行きバスが待機。この路線はほぼ2時間毎、一日8往復という超間引き路線。おまけに同じルートを行ったり来たりと、約1時間も費やしてしまうが全線230円で全線通しの客は最前列のボクひとり。高幡不動からは10分の接続で「鉄道農園」前まで運んでくれる日野市(京王委託)コミニティバスで帰宅。バス代はシルバーパスで無料、乗り甲斐のある多摩縦ルートのバス旅でした。夕方に鉄道農園に寄ると、太いごーやが育っていました。今夜はごーやチャンプルです。

大日堂横の道路沿いの湧水は、大日堂境内を流れる。水路近くの「おねいの井戸」、巨石の隙間から湧き出し滝となって池に注ぐ。立川－高幡不動間の京王バス。

■気になるハケの道
8/10
　東京はこのところ戻り梅雨のような雨の日が続いて、台風もやってきたので、そろそろ都内の湧水も気になるところです。その最も気になるのがハケの道の新次郎池。まだまだまとまった雨量には達せず水量は期待していなかつたのですが、案の定湧水はかすかにみられるような状態です。ひょっとしたらこれから水量が増えるのかもしれません。キャンパスの森に「キツネノカミソリ」の群生があり、よく咲いていたのですが、例年だとこの花が咲くころは新次郎池はほぼ満水の状態でしたが。このあと、貫井神社、蹌踉泉園など東京の名湧水57選を巡りましたが湧水量に変化はなく少な目でした。大雨に期待しましょう。

キツネノカミソリが咲く新次郎池だったがまたまだといったところ。貫井神社、蹌踉泉園も水量は変わらぬまま少量

■気になるついでに・・黒川清流公園
8/11
　高幡不動から日野市内バスで20分、東豊田下車で中央線の踏切を渡ると5－6分で黒川清流公園の中心部へ。しっとりと雨上がりのの道に雑木林からの湧水が各所に見られます。このような薄暗い日は湧水も映えて見えます。ちょっと幻想的でよい雰囲気の森でした。公園内の数か所の湧水は目に見えて変化している様子はありません、というかここの湧水はほぼ一定した流れを保っています。剣道場前の湧水は心なしか水量が多いようです。再び、踏切まで行くと撮り鉄が数名いて、これから臨時特急が来るとの事、国鉄時代の電車で「あずさ」運用で走るとのことでした。

ハケの雑木林から流れ出る湧き水はしっとりと独特の風情があった。剣道場前の湧水、水量も多く見応えがあった。近くの中央線を走る臨時「あずさ」号。

■高幡不動の湧水
8/14
　私の住む日野市は多くの湧水がありますが、市のシンボル「高幡不動尊」の境内の中にも規模は少ないのですが湧水が数か所みられます。境内はすでに秋の気配が感じられ彼岸花も咲き始めました。お鼻井戸は境内にあり、ここには多くの参拝者が訪れますますが水量が少ないのが残念。それでも少しずつあふれ出て井戸水は美しく澄み渡っています。山道のところどころには湧水が見られ、その一か所ははいつも少量ですが水が湧き出しています。あじさい山からの湧水を見られ、それらが一か所にまとめられ、ちいさな滝となって弁天池に注がれています。弁天池には汲み上げ水の噴水があります。全体に見ると境内は湧水の宝庫といった雰囲気が感じられるのです。

彼岸花が咲き始めた。お鼻井戸は境内の名所旧跡。あじさい山からの湧水、少量ながらいつも湧き出ている。

■東京都の名水百選
8/17
　東京都の湧水による昭和の名水百選が国分寺市の「お鷹の道・真姿の池湧水群」です。国分寺駅に所用があった帰り道に寄ってみました。雨上がりのお鷹の道はしっとり風情がありましたが、家族連れも多く少し喧騒な雰囲気もありました。都会の中のオアシスなのでしかたないことかも知れません。この湧水はひどい汚れと化した湧水を市民、行政によってよみがえらせたもので、湧水のほとりに昭和40年代の汚れた頃の写真が掲示してあります。高度成長期には多くの湧水が無くなり、特に都心部の湧水はほとんどがこの時期に枯れてしまいました。それだけにこの湧水は復活のお手本のような湧水だと思いました。

お鷹の道の水路、数奇な伝説が残る真姿の池、水路はこの季節クールダウンに最適、冷たい。民家からの湧水の流れ。

■意外な湧水復活
8/18
午後から取材なので午前中から路線バスで高幡不動から豊田に出て、あまりおとずれたことのない東豊田の民家の湧水をおたずねしました。一声、お断りすると快く敷地内に案内してくれました。この民家のまわりには崖下の水路に沿って数か所の湧水があり、井戸などで生活水にしています。民家の湧水はちゃんとした水場が設けられ清水がこんこんと溢れ、野菜洗いや野菜を冷やすのにつかっていました。バスを乗り継いで谷保天満宮に行きました。その前に清水茶屋の湧水を見ましたが、予想とは異なり清水が湧いていました。長雨の影響でしょうか、この湧水が復活することは滅多にありません。他の常盤の清水などが水量が少ないので、より不思議に見えました。午後からは仕事で都心です。

東豊田の民家の湧水は井戸を形成している。清水茶屋の湧水は復活して流れが確認できた。常盤の清水と、天満宮境内から流れ出る湧水。

■気になる新次郎池
8/19
　谷保の「清水茶屋の湧水」が湧水を取り戻して、長雨の影響が出始めている昨今、やはり気になるのがハケの道の「新次郎池」。19日、八王子まで用事で出るついでに大回りして国分寺の新次郎池に寄ってみました。水量はあきらかに増えていましたが、まだ池を満たすほどではありません。石灯籠のメイン湧水もしっかりとした流れになり、その対面の校舎下の斜面の湧水も、流れがしっかりしてきました。確実に湧水量が増しているようでした。貫井神社に寄ると湧水口付近にスズメバチ発生とかで立ち入り禁止。そのおかげで池の近くで比較的多い湧水口を見つけました。ここも湧水量が増えつつあります。

石灯籠の湧水もしっかりとした流れで、その対面の校舎下の湧水も流れが復活した。新次郎池に水鏡を映すほどになった。貫井プールの記念碑と手水、水路下流で新たな湧水口を見つけた。

■多摩川増水
8/20
ゲリラ豪雨の後の大増水、橋梁の上流約1kmには浅川と程久保川と多摩川の合流地点があり、ここで一気に水かさが増します。3年前の台風一過以来の増水です。まだどんより曇った状態ではちょっと不気味な怖さがありますが、地元のヒトたちは近くで釣りを楽しんでいました。ちょっぴり少年時代の川遊びの感覚で、鉄道を撮ってみました。増水する多摩川の河川敷はいろいろな表情を見せてくれて写欲が湧くのです。

増水した多摩川と電車を記録。増水すると河川の流れが変化してさまざまなアングルで写真が楽しめる。

■ゲリラ豪雨の後の湧水は?
8/21
:ゲリラ豪雨の後、多摩川などの「表流水」は水量を増して増水していますが、伏流水はどうでしょう。10日ほど前、片倉城址公園近くの民家のお年寄りが、横井戸の水が枯れる寸前で池の鯉を避難させなくちゃ・・と言っていたのを思い出し、民家の横井戸を訪ねました。思ったほど増えていませんが、この前よりは勢いがあるようです。これから日にちが立てば、まだ増えてくるでしょう。片倉城址公園の湧水は変化が見られませんでしたが、斟珠寺の時田弁天の湧水は、塩ビパイプいっぱいに溢れていました。川を挟んで丘陵が異なるので独特の涵養地域を持っているのでしょう。即効性のある湧水といえましょう。

民家の横井戸の湧水。湧水池には水生植物が開花。奥の沢からの湧水が水車を回す。時田弁天池の湧水は水量多し。

■日野台地の南端エプソン前の湧水
8/22
　市役所など市の中心施設がある日野台地は、市役所から南に至ると崖線になっています。ここに豊富な湧水があります。そのひとつが谷仲山湧水群です。エプソン前バス停から徒歩5分なので私は通称「エプソン前の湧水」と呼んでいます。ここには崖線や、畑の丘陵地帯からいくつもの湧水があり、多雨期には畑から突然湧出する湧水もあるほどです。市が管理保全している谷仲山湧水は本湧水のほかに4か所の湧出口がありますが、今の季節は雑草の中にあり、本湧水と、ここから200mほど離れた畑の中から湧出する湧水池しか確認できません。後者の湧水池もこんもりと雑草が生い茂り実態はわからず、排水溝を通じて流れが見えるだけです。それでも里山の風景を色濃く残しています。この付近には湧水を集めて流れる清冽な用水があり、農業用などに使われているのです。日野市谷仲山地区はは水の里山ということを実感する地域なのです。

日野台地の崖線に咲くキツネノカミソリ。本湧水の横の湧水は水量が多い。こんもりと雑草(左)に覆われた畑の湧水。都営平山アパートの公園の浅川の伏流水の自噴井戸。浅いせいか勢いよく湧き出している。

■伊勢の古湯?
8/27
一泊二日で伊勢のローカル線の旅をしてきました。松坂牛で知られる松坂から伊勢奥津まで伸びる「名松線」は赤字ローカル線で豪雨災害で長年普通になっていましたが、今は開通しています。清流に沿って走りとてものどかな路線で国鉄時代の面影を色濃く残しています。中間にある家城駅は唯一駅員がいる駅で列車はここで交換して15分ほど停車します。ホームに観光案内板があるので見てみると「家城神社のいぼ湯」というのが徒歩10分にあるというので訪れてみました。家城神社かの裏手を流れる川に下る途中の道の途中から湧出しています。由緒によれば神代の昔、古事記にも登場する湯治湯といわれ、温泉成分が含まれていて、温泉分析表が添付されている。フッ素を多く含んでいることから一日500mlまでの飲用が望ましいともある。皮膚病に霊験あらたかで「疣(こぶ)に効く」といわれるところから「諏訪さんのこぶ湯」と伝えられてきた・・とありました。泉温度17度という霊泉のようで、多くの人が少量の水を汲みにやってきている・・とのことでした。

家城駅。名松線のガードを潜れば家城神社。石臼は石器時代ものとか? 水は少なく汲むのに長時間を要する。すぐ脇に別の湧出口があり、こちらは水量が多い、同じ成分じゃないのかな?

■やっぱり気になる湧水
8/28
　先だっての大雨、長雨の影響がそろそろ現れそうなのでが・・そこで新次郎池に行ってみました。やっぱりあの程度の雨ではダメなんですねぇ、やや湧水量が回復し流れがあるようにも思えますが、これまでの雨ではこれが限度でしょう。あとは台風が連続してやってきて、まとまった雨を降らせてくれないかぎり、今期の新次郎池はこのままの水位で終わりそうです。貫井神社もほぼ湧水量に変化はありません。

貫井神社はスズメバチの巣も撤去されたようだ。新次郎池水位は数センチ上がっていたが。石灯籠の湧水と、校舎崖下の湧水、確かな流れになっているが。

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京王特急の新型電車の試運転初日。穴澤弁財天の洞窟と、ご神水。人気の高い湧水だ。


暑ければふんどし一本で清流に入るところだが。清流沿いに走るDAX


善福寺の参道、柳の井戸は空襲、大震災の歴史を秘めて湧き続けている。境内の手押しポンプも健在。


大日堂横の道路沿いの湧水は、大日堂境内を流れる。水路近くの「おねいの井戸」、巨石の隙間から湧き出し滝となって池に注ぐ。立川－高幡不動間の京王バス。


キツネノカミソリが咲く新次郎池だったがまたまだといったところ。貫井神社、蹌踉泉園も水量は変わらぬまま少量


ハケの雑木林から流れ出る湧き水はしっとりと独特の風情があった。剣道場前の湧水、水量も多く見応えがあった。近くの中央線を走る臨時「あずさ」号。


彼岸花が咲き始めた。お鼻井戸は境内の名所旧跡。あじさい山からの湧水、少量ながらいつも湧き出ている。


お鷹の道の水路、数奇な伝説が残る真姿の池、水路はこの季節クールダウンに最適、冷たい。民家からの湧水の流れ。


東豊田の民家の湧水は井戸を形成している。清水茶屋の湧水は復活して流れが確認できた。常盤の清水と、天満宮境内から流れ出る湧水。


石灯籠の湧水もしっかりとした流れで、その対面の校舎下の湧水も流れが復活した。新次郎池に水鏡を映すほどになった。貫井プールの記念碑と手水、水路下流で新たな湧水口を見つけた。


増水した多摩川と電車を記録。増水すると河川の流れが変化してさまざまなアングルで写真が楽しめる。


民家の横井戸の湧水。湧水池には水生植物が開花。奥の沢からの湧水が水車を回す。時田弁天池の湧水は水量多し。


日野台地の崖線に咲くキツネノカミソリ。本湧水の横の湧水は水量が多い。こんもりと雑草(左)に覆われた畑の湧水。都営平山アパートの公園の浅川の伏流水の自噴井戸。浅いせいか勢いよく湧き出している。


家城駅。名松線のガードを潜れば家城神社。石臼は石器時代ものとか? 水は少なく汲むのに長時間を要する。すぐ脇に別の湧出口があり、こちらは水量が多い、同じ成分じゃないのかな?


貫井神社はスズメバチの巣も撤去されたようだ。新次郎池水位は数センチ上がっていたが。石灯籠の湧水と、校舎崖下の湧水、確かな流れになっているが。