2018年6月の水の旅です

湧水名水探訪日記のバックナンバーはこちらです。

■水の郷・落川地区
5/31
私の住んでいる日野市の落川地区は浅川水系から引かれた農業用用水が張り巡らせていて、ちょっとした水郷のたたずまいで、地域では果樹栽培、畑、水田がまだまだ残ってします。我が家からの散歩コースにある大農家の邸宅にも用水が流れ、その流れは水田にひかれています。水田の入り口にあたる田んぼにはあやめが植えられて、ちょっとした名所になっています。この風景を見ていると水の郷百選の原風景を見る思いで心が安らぎます。このあたりの水田には野道にはアジサイ、ヒガンバナが咲き四季折々の散歩が楽しめるのです。日野に住んで本当によかったと思っています。

落川地区の水田風景、水田の流入口と、あやめ田を流出して水田に流れる。昔からの旧家のあるたたずまい、旧家の名はどこも「土方」家。

■かっこいいものは美しい「スーパーあずさ」
6/4
　天気が良いので?市立病院の帰り、豊田のカーブ区間で特急「スーパーあずさ」を撮影しました。青空をバックに実にかっこいい電車です。このあたりの中央線は日野台地・黒川清流公園に沿って走り、鉄道写真撮影と湧水巡りには一石二鳥。撮り鉄、名水マニア共々楽しめるところです。台地の森も緑色濃くなり、いよいよ湧水の季節が到来といったところです。

日野台地に沿って走る中央線、青空を背に走るE353系スーパーあずさ、黒川清流公園の湧水は東京の名湧水57選に選定されている。

■撮り鉄と湧水巡り
6/5
今日は京王の計測車DAXが走る日なので府中、調布あたりをぶらぶらしていました。DAXは前面が黄色いので「幸せの黄色い電車」といわれ、走る日はだいたい二が月に一度、運転日時間も公開されていないのでマニアの必須アイテムなのです。午前中にこの電車を撮って東府中からバスでハケの道へ行きました。貫井神社と新次郎池に寄りましたが、新次郎池は先日より水量は無くて池は枯渇状態。それでも水路にはにじみ出た湧き水が細い流れを作っていました。

百草園駅を通過するDAX。貫井神社の貫井プール顕彰碑。新次郎池は干上がっている状態、水鏡も心なしか影が薄い。

■子安魚港の共同井戸
6/9
　夜に横浜で由利高原鉄道の懇親会があるのて、早めに出て鉄道を撮ったりしていましたが、子安漁港まで足を延ばしました。第一京浜と運河に間の坂にある「漁村」は狭い路地が入り組んで、その中にいくつかの手押しポンプによる共同井戸があります。まだ現役ですが、今は防災井戸として使用されています。この路地の一角には「井川湯」という銭湯があり、地下水を沸かしています。すぐ隣接して共同井戸が残り一帯は「取り残された昭和」の風情が色濃く残っています。京急で「日ノ出町」に行き、大岡川沿いにある「日ノ出湧水」を訪れました。なぜここに湧水が・・?と疑問を持っていましたが、かつて港に出入りする船に水を供給する民間の業者が野毛山の水源の湧水をパイプで引いていたそうで、それが今も残っているとのことです。ここら伊勢佐木町まで歩き、鉄道仲間の懇親会に参加しました。

子安漁港、首都高が走り、貨物線が走る昭和の風情。漁村の路地にはいくつもの共同井戸がある。日の出湧水、野毛山の湧水をパイプで引いているという。

■田園調布の湧き水
6/12
　今日は夜に出版社との打ち合わせが渋谷であるので、少し早めに家を出て、東急目黒線沿線の湧水を巡りました。目黒の次の駅「不動前」で下車して品川百景にも選ばれている「氷川神社の湧き水」を訪れました。この湧水は古くから「懸水」と呼ばれ地域の農民たちに利用されてきた湧水ということです。今も神社の境内から湧き続けています。目黒線に乗って「多摩川」で下車、駅近くの旧多摩川園内にある東京の名湧水57選「田園調布せせらぎ公園」の湧水を訪れました。第1.2湧水があり、どちらも水量豊富、途中のせせらぎの水路の崖線にもいくつかの湧水が見られ、ここの湧水は一時枯渇気味だったことを思えば復活した湧水といえましょう。

品川区氷川神社の懸水、せせらぎ公園の第一湧水、澄み切った水をたたえている。第二湧水も水量が多い、水路の崖線にも湧水がいくつか見える。

■蛙合戦の古刹
6/13
　デスクワークの仕事が続いてストレスが溜まったきたので、ちょっと電車に乗って散歩。行先は「めじろ台」下車徒歩10分の「「真言宗智山派常光山真覚密寺・真覚寺」です。この寺は江戸時代から池に生息するヒキガエルの蛙合戦で知られる古刹で、境内には有名な芭蕉の句碑も建立されています。現在は宅地化などでヒキガエルの姿はほとんど確認されていませんが、池を満たす湧き水は健在で、境内に池をめぐる庭園があり四季折々に楽しませてくれます。今は紫陽花ともみじの新緑が見事でした。

小さな谷から湧出する湧き水は手水に利用され池に注ぐ。紫陽花ともみじの新緑が美しい。芭蕉ゆかりの蛙塚。

■会津の名水とおらが蕎麦。
6/17
　2日間の予定で会津を訪れました。梅雨まっさかりというのに17日は快晴、27度とまるで梅雨が明けたような天候です。会津地方を走る鉄道を撮影して会津街道を湯野上温泉方向に向かうと、山の小道に小さい湧水を見つけ立ち止まりました。「蟹沢(かんじゃ)の水」で深い山の中から湧き出し、冷たい美味しい水が湧き出ています。ちょうどペットボトルの水が切れたので、ここの水を頂きました。また、西会津の山都は、山都そばが名物、清冽な湧き水でそばを打ち、ゆがいています。日曜日などは各店に行列ができるほどの人気です。

旧街道の知られざる湧水「蟹沢(かんじゃ)の水」。西会津山都の遠景、飯豊連峰と阿賀野川が蕎麦打ちの環境を整える。手打ちそばは美味い。

■名水と戯れる
6/19
　梅雨の晴れ間で昼過ぎ気温はすでに26度、八王子はまだまだ上がりそうです。人に会うため八王子に出たついでに路線バス「中野団地」行きに乗って山王の「子安神社」を訪れました。東京の名湧水57選のひとつ「子安神社の明神池湧水」です。この神社は名のとおり子宝、子供育ての神社です。昔からこの水は母乳の出がよくなると伝えられてきました。池のほとりの御神木が「女陰」のリアルな形をしているところからも、女性の神ということがわかります。湧水はその御神木の下の石垣の隙間から数か所に湧き出ていて、水量は豊富です。暑いこともありクールダウンで池の下流の水路に入り足を付けました。湧水は冷たく長時間入っていられません。熱中症予防にも効果のある水との戯れでした。

子安神社は女性の神様。湧出口付近とその湧き出しの水中、下流の水路で水とたわむる。数分も足を浸けていられない冷たさ。

■夏至の湧水
6/21
　午前中に雨が上がったので紫陽花見物には絶好の日和です。妻とランチを兼ねて高幡不動尊に行きました。そのまま東府中に向かい路線バスでハケの湧水を訪れました。ハケの道はキスゲの花が咲きいかにも夏のたたずまいですが、新次郎池はあいかわらず干上がったままです。多分これからは徐々に水量を増してゆくと思います。貫井神社は水量を増して、本殿裏からも湧水が見られましたし、社務所前の滝にも落下する水量が増えたような気がします。これからの雨量にも期待したいところです。夕食のころ、夕焼けが訪れました。今日は夏至なので7時半ごろの夕焼けです。その後には晴れ渡った夜空に木星と上弦の月が輝いていました。

ハケの道、貫井神社の湧出口付近。新次郎池はご覧の通り、湧水はわずかですが二か所から確認されましたが。夏至の夕焼け。

■北区の湧水
6/22
　今日はいろいろと打ち合わせ事項があるので都心に出ました。そのとき臨時列車が走る・・という情報を聞いたので用件を済ませて東十条に向かいました。数名の撮り鉄と撮影したあとは線路沿いに王子まで歩きました。線路に沿って本郷台の末端がハケの道となり、多くの湧水が点在しているのです。荒幡不動尊の湧水、民家の路地、名主の滝公園、神社、王子公園、田端駅構内の湧水などにあるのですが、一番如実に見えるのが荒幡不動の湧水で、すぐ線路近くの不動堂から枯れることなく湧き出しています。名主の滝は地下水の循環ですが多雨期や台風の豪雨の後には園内の崖線から湧水が見られます。かつてこの通りには地下水を利用した銭湯もありましたし、専門学校の玄関先には自噴水と思われる池もありました。

荒幡不動尊の湧水、名主の滝と園内を流れる水路は地下水の循環水、東十条駅近くは撮り鉄のメッカになっている。

■八王子片倉の湧水
6/26
　都心に出たかえり、京王片倉まで足を延ばして片倉城跡公園に行きました。東京の名湧水57選のひとつで、丘陵の北側斜面から数十か所湧出しています。近くの民家の私有地にも湧き出しています。これらの湧水は公園入口の湧水池に集められています。湧水池には多くの野鳥がやってきて、野鳥観察会も開催されています。遊歩道は菖蒲田をめぐり、さらに丘陵へと至ります。水辺には半夏生が咲いていました。歩いて10分ほどの斟珠寺時田弁天池の湧水に向かいました。ここの湧水風景は絶景です湧出口はパイプから流出していますが池のがけ下のあたりには数か所の湧き出しがあり、オーバーした水はサイフォン状の水場にあふれています。

民家の湧水は錦鯉を生かす大切な水源。半夏生が池のほとりに咲いていた。奥の沢の湧水は水車を回す。時田弁天池の湧出口。

■自噴水のある風景
6/27
　午前中は連載原稿の執筆、締め切りを大幅に遅れてようやく昼前に脱稿。午後から京王のある電車を追ってレールウォッチング。まずは仙川に行き武者小路実篤記念館に行きました。実篤先生は晩年を湧水のある住まいを求めて仙川に居を構えたとのことです。今も湧水は健在で池を満たしています。蒸し暑いので涼を求めるべく南平の団地の自噴水を訪れました。浅川の伏流水が汲み上げポンプのお古から勢いよく湧出しています。本当は全身浴びたかったのですが、そうもゆかず足と手を湧水に浸しました。生き返ったようでした。このような自噴水は南平には数か所あり、日野市のシンボルともなっています。

つつじが丘から実篤記念館へ。実篤先生像とハケの湧水。南平の団地の自噴水、涼をとるには一番。

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落川地区の水田風景、水田の流入口と、あやめ田を流出して水田に流れる。昔からの旧家のあるたたずまい、旧家の名はどこも「土方」家。


日野台地に沿って走る中央線、青空を背に走るE353系スーパーあずさ、黒川清流公園の湧水は東京の名湧水57選に選定されている。


百草園駅を通過するDAX。貫井神社の貫井プール顕彰碑。新次郎池は干上がっている状態、水鏡も心なしか影が薄い。


子安漁港、首都高が走り、貨物線が走る昭和の風情。漁村の路地にはいくつもの共同井戸がある。日の出湧水、野毛山の湧水をパイプで引いているという。


品川区氷川神社の懸水、せせらぎ公園の第一湧水、澄み切った水をたたえている。第二湧水も水量が多い、水路の崖線にも湧水がいくつか見える。


小さな谷から湧出する湧き水は手水に利用され池に注ぐ。紫陽花ともみじの新緑が美しい。芭蕉ゆかりの蛙塚。


旧街道の知られざる湧水「蟹沢(かんじゃ)の水」。西会津山都の遠景、飯豊連峰と阿賀野川が蕎麦打ちの環境を整える。手打ちそばは美味い。


子安神社は女性の神様。湧出口付近とその湧き出しの水中、下流の水路で水とたわむる。数分も足を浸けていられない冷たさ。


ハケの道、貫井神社の湧出口付近。新次郎池はご覧の通り、湧水はわずかですが二か所から確認されましたが。夏至の夕焼け。


荒幡不動尊の湧水、名主の滝と園内を流れる水路は地下水の循環水、東十条駅近くは撮り鉄のメッカになっている。


民家の湧水は錦鯉を生かす大切な水源。半夏生が池のほとりに咲いていた。奥の沢の湧水は水車を回す。時田弁天池の湧出口。


つつじが丘から実篤記念館へ。実篤先生像とハケの湧水。南平の団地の自噴水、涼をとるには一番。