中華人民共和国雲南省麗江市
2007年５月18日〜21日取材

麗江古城に湧き出る「三眼井」

麗江納西(ナシ)族自治県の中心である麗江は、昆明から約600ｋｍ、大理から約200ｋｍの雲南省西北部、青蔵高原と雲貴高原の境界に位置する街。正式には大研鎮といい、県政府が設置されていることから麗江県城とも称されている、標高2400メートルの地にある。

玉龍雪山からの大湧水

朝日を浴びる玉龍雪山。雪解けの伏流水が広大な池を作る「玉泉公園」に大湧水が注ぐ。

麗江の背後にそびえ立つ未踏峰の玉龍雪山は、標高5596�bあり万年雪と氷河に覆われている。山の姿が空を飛ぶ銀色の龍のようなことから、玉龍雪山と呼ばれるようになったといわれている。この万年雪の雪解け水が麓の「玉泉公園」に大湧水を形成し、その水路は麗江古城に流れている。

麗江古城の街並み

麗江古城の入口は水車が水路を3つに分ける。甍の波が続く古城の街並み。石畳の路地に水路が流れる。

麗江の街の旧市街地、麗江古城は四方街を中心にナシ族の2階建て大造家屋が所狭しと立ち並び、その間を細い石畳の小路が網の目のように四方八方に延びている。その街中を玉龍雪山、老君山の二大山脈の雪解け水の湧水からの水系から分かれた水路が町中にめぐらされ、古い町並み、石畳の路地とあいまって独得の水の街の風情を漂わせている。1997年にユネスコ世界文化遺産に指定されている。

古城の水路と三眼井

水路を分ける分岐水路。柳並木の水路がどことなく懐かしい風景。三眼井の飲み水井戸と、野菜洗い場。右は路地にある小さな湧水「溢礫泉」。

麗江では、街の真ん中を走る中河から、2本の主な水路が伸び、さらに多くの水路が街中を巡っている。橋の数は約３００。そんな水の街で見かけるのが３つの水槽を持つ井戸が「三眼井」といわれている井戸。「飲み水用」「野菜洗い用」「洗濯用」の３つの水場に分けられていて、共同井戸の水場として大事にされてきた。「茶馬古道」といわれる街道沿いや、要所にある三眼井は水量豊に美味しい水を湧出している。

茶馬古道の三眼井

「石榴井」は茶馬古道沿いに湧く三眼井。湧出口は沖縄の石組井戸を思わせる。右は同じ茶馬古道にある「三畳井」

その昔、交易のため雲南省からラサまで，お茶を馬で運んだルートが茶馬古道といわれている。古城内は石畳の道となっている。この茶馬古道と三眼井は共に、その交易の歴史を秘めている。

麗江の名水�Uに続く
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